在宅ワークの体験談を探しているということは、あなたは今、少し焦っているのかなと思います。
「前の仕事を辞めたときはほっとしたのに、家計は思ったより厳しくて……。求人サイトを開いても未来への不安が浮かんで、そっと閉じてしまう」
そんな経験はないでしょうか。
わたしも同じでした。働けなかったのではなく、毎朝決まった時間に出社するという形式そのものに消耗していたんです。
会社に着いた時点で、その日の力を使い果たしている感じでした。
今は自宅で1日2〜3時間働いて、生活の一部を自分で立てられるようになりました。
この記事には、稼げなかった時期のことも書きます。
ひとつだけ先に。在宅を選ぶ理由は、「子どものため」「家族のため」でなくてもなんら問題ありません。
「通勤がしんどい」。それで十分です。
会社を辞めたとき、こうなるとは思っていなかった
まず、わたしが会社を辞めてから在宅ワークを探し始めるまでの話を書きます。
今まさに求人サイトを開いては閉じている方には、たぶん見覚えのある景色かもしれません。
辞めた理由は、前向きなものだったはず

昔の話ですが、新卒で入った会社は通勤に片道1時間45分かかる遠い場所にありました。
でも、会社で働く以外の働き方を知らなかったため、病んでしまうまで時間をかけて通勤し、働いていたんです。
その結果、体調を崩し、仕事がうまくできなくなって退職することに。
辞めた直後は、たぶん少しほっとしていました。
「もう毎朝満員の電車に乗らなくていいんだな……」
そう思えたことのほうが、この先どうなるかという不安より大きかったです。
家計が思ったより厳しくなってきた

退職後、無職のまま結婚しました。
家計はどんどん苦しくなるばかりで、夫には負担ばかりかける日々だったのを覚えています。
クレジットカードの返済のために、貯金を切り崩していました。
お金が減っていく感覚は、ある日突然来るものではありません。
少しずつ、確実に、余裕がなくなっていく。
それを見ないようにしている自分にも気づいていました。
求人サイトを開いては、閉じる

「なんとかしてお金を作らないと」と思い、実際に求人サイトも開きました。
ですが条件を見ているうちに、頭に浮かぶのは仕事の内容ではなく、
- 通勤時間
- 職場の人間関係
- 朝決まった時間に家を出る生活
こんなことばかり。そして、すぐにタブを閉じる。
それを何度も繰り返していました。
せっかくパートが決まっても、すぐに通勤がつらくなり出勤できなくなることが続いてしまい、自分を責めていた気がします。
当時はつらく、少し思い出せない部分があるため、「気がします」という表現でお許しください。
でも確かに覚えているのは、
「働きたくないわけではないのに動けない。毎日やる気はあるのに出勤ができない」
こんな気持ち。
「やっぱり問題があるのは自分のほうだ」と考えて過ごしていました。
「働けない」のではなく、その形式が合わなかった
ここがこの記事で一番書きたかったところです。
あのとき自分の何がしんどかったのか、今ならもう少し正確に言えます。
そして、それはわたしだけの問題ではありませんでした。
会社に着いた時点で、その日の力を使い果たしていた

わたしは働くこと自体がつらかったのではありませんでした。
つらかったのは、毎朝決まった時間に家を出て、決まった場所まで移動して、決まった時間そこにいる、という形式のほうです。
当時の通勤は、片道1時間45分でした。往復で3時間30分。仕事を始める前に、それだけの時間を移動に使っていたことになります。
毎朝6時半のバスに飛び乗って、満員の電車でぎゅうぎゅうにされ、やっとのことで駅を降りてから、暑い日も雪が積もった日も20分以上歩き会社に向かっていました。
(事情があって会社の近くで一人暮らしができなかったのも原因ではありますが)
会社に着いた時点で、その日に使える力をほとんど使い果たしている。
仕事はまだ始まってもいないのに、もう終わっている。そういう感覚でした。
それを人に説明するのは難しくて、「体調を崩して」と言えば大げさだし、「合わなかった」と言えば甘えに聞こえる気がして、結局うまく言えないままでした。
通勤がしんどいのは、わたしだけの問題ではなかった

長いあいだ、これは自分の弱さだと思っていました。みんなできていることが、わたしにはできない。それだけのことだと。
でも、あとから知ったことがあります。
ニッセイ基礎研究所が2025年に行った調査では、通勤時間が長い層ほど心理的ストレスの平均値が高い傾向が確認されています。
特に片道90分以上の通勤者ではストレス水準が比較的高く、この傾向は男女や年齢層、地域を問わずおおむね共通していたそうです。
※出典:ニッセイ基礎研究所「通勤時間とメンタルヘルス-通勤時間が長い層ほどストレスが大きい傾向-」
(この調査は単純集計に基づくもので、因果関係を示すものではないとされています)
わたしの通勤は片道1時間45分だったので、がっつりストレス水準が高いとされている層に入っていました。
これを知ったとき、「責めるべきはもしかして、自分のことじゃないのでは?」と思いました。
わたしが弱かったから会社で働けなかったのではなく、毎日多くの時間を移動に使っていたから、疲れて仕事に支障が出ていたわけです。
女性が会社を辞める理由の1位と2位

くわえてもうひとつ。
厚生労働省の令和6年雇用動向調査によると、女性が前職を辞めた理由は、
「その他の個人的理由」24.3%を除くと「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」が12.8%で最も多く、その次に「職場の人間関係が好ましくなかった」が続いています。
前年の調査では順位が逆で、人間関係が13.0%で最多でした。
※出典:厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」
2年続けて、この2つが1位と2位です。
ここで気づいたことがあります。この統計、「通勤がつらい」という項目がないんですよね。
人間関係も、労働条件も、給料も、仕事の内容も選択肢にあるのに、通勤については項目がない。
だからわたしたちの理由は、統計に数えてもらえないまま「その他」に入っています。
理由として存在していないわけではなく、ただ、数える枠がないだけです。
わたしは長いこと、自分を社会不適合者だと思っていました。
今は少し違う言い方をします。毎日出社したり上司の顔色を伺ったりする働き方が、わたしに合っていなかっただけ。
要するに、「社会不適合者」ではなく「会社員不適合者」だったのです。
在宅ワークを調べて感じたのは「怪しさ」でした
ここからは、実際に在宅ワークを調べ始めてからの話です。
先に言っておくと、わたしは怪しいものを見抜ける人ではありませんでした。一度、引っかかっています。
わたしは一度、引っかかった

先に正直に書いておきます。
わたしは一度、マルチ商法に引っかかったことがあります。
ああいった手法は
- 手に職なし
- スマホで簡単に
- ”主婦でも”稼げる
と、こちらの弱いところばかり突いてくるので大変です。
詳しい経緯はこちらに書きました。

なぜこれを書くかというと、わたしは「怪しいものを見抜ける人」ではないからです。
むしろ一度引っかかっています。だからこのあと書くことは、賢い人の話ではありません。
月30万?スキル不要?スマホだけ?

痛い目にあってからさらに在宅ワークを調べ始めて、最初に感じたのは希望ではなく怪しさでした。
出てくるのは、簡単に、未経験でも、スマホだけで、高報酬。
同じ言葉ばかりが並んでいて、読めば読むほど信じられなくなっていきました。
今この記事を読んでいる方も、同じところにいるかもしれません。
「在宅ワーク 甘くない」「在宅ワーク 怖い」で検索したことがあるなら、その感覚は正しいです。
怪しいものを消していって残ったもの

マルチの一見のあと、探し方そのものを変えました。
「安全そうなものを探す」のをやめて、「怪しいものを外していく」ことにしたんです。
探すより、消すほうが確実なんですよね。いわゆる消去法です。
外した条件は以下の4つ。
- 簡単
- 未経験歓迎
- スマホで完結
- 高収入
当てはまるものをどんどん選択肢から外していき……。
そして残ったのは、実に面白くない結論でした。
在宅で稼ぎたいなら、
- 在宅ワークに必要なスキルを身につける
- スキルをすでに持っている
このどちらかの条件を満たす必要があったのです。
やっぱり、近道・ラクな道ってないんですよね。
期待していた答えとは違います。
でも、この結論にたどり着いたことで、ようやく怪しい情報に振り回されなくなりました。
実際にやった仕事と、稼げなかった時期のこと
ここからは実際にやった仕事の話です。
うまくいった話だけを書くつもりはありません。
続かなかったやり方のほうが、たぶん役に立つと思うので、そのあたりにフォーカスします。
最初にやったのは文字起こしだった

2024年に副業を開始して初めて獲得した継続案件は、BtoBビジネスのオンライン会議の議事録作成でした。
副業を始めた当初(2023年8月~2025年3月)はWebデザインをやっており、そのころ応募した企業(A社とします)で議事録ライターをさがしていました。
A社とつながりのある企業様について、オンライン会議に参加して議事録を作る仕事です。
タイピングは速い自覚があったので、「ええい、ままよ」と手を上げることに。
いざやってみると、飛び交う専門用語、行き交う怒声、迫る提出期限、と最初にやるにしてはかなりハードな内容でした。
それでも、パソコンと自宅だけで完結して、会議に出席して締切さえ守れば裁量は自分次第。
当時のわたしにはそれが何より大きかったです。
人間関係的なところについては、対面でのやり取りがない分、すっぴん部屋着で仕事ができてラクでした。
ただ、テキストベースのコミュニケーションはありますし、A社への報告ミーティングのときは対面してお話をするといったことはありました。
在宅ワークになっても、完全に人間同士のコミュニケーションがなくなることはないと書き記しておきます。
続かなかったやり方

うまくいったことばかりではありません。
もともと2023年からWebデザインの学習をしていたのに、そちらでは全然鳴かず飛ばずで、継続的に報酬を得られませんでした。
Webデザイン以前に、副業やビジネスを始めるために準備しておくべきものごとが、何一つとしてわかっていなかったからです。
それまで仕事についての学習なんて会社でしかしたことがなかったので、そもそも「スキルを身につけるために学ぶ」ということの実態が理解できていませんでした。
いきなり何の予備知識も準備もなくふわふわ始めても、上手くいかないのは当然ですよね。
正直、ここを書くのはちょっと気が引けます。
でもうまくいった話だけを読んでも、たぶん今のあなたの役には立ちません。
何が必要で、何が要らなかったか

始める前は、いろいろ揃えなければいけないと思っていました。実際にはそうでもありませんでした。
副業なんてノートPC1台あればどこでもできると思っていたのですが、作業用の広いモニターがあったほうが効率が格段に違いました。
一方で、いろいろなノウハウ本を買い漁りましたが、1冊の本から得たノウハウを何度もアウトプット(反復)するほうが身につくこともありました。
なんにでもお金をかければいいというわけでもなかったのが意外に感じています。
続けられたのは「1日2〜3時間で閉じる」と決めてから
今は1日2〜3時間で回していますが、最初からそうだったわけではありません。
どうやって短くなったのか、そして、これから始める方に何を勧めたいかを書きます。
最初から2〜3時間だったわけではなかった

冒頭で「1日2〜3時間働いています」と書きました。これは今現在(2026年8月)の話です。
最初からそうだったわけではありません。
覚えることが多かった時期は、もっと長い時間を注いでいました。ここを書かないと嘘になるので、正直に書いておきます。
学習は1日4時間程度。アウトプットの時間を含めると、+1~2時間。
もともと脳のスタミナが少ないのですが、それでも毎日3~6時間は、細切れの時間も合わせて頑張って学習や仕事をしていました。
働く短くなったのは、慣れとAIのおかげ

時間が短くなった理由は、要領がよくなったからではありません。
ひとつは、単純に慣れです。
同じ作業を何度もやると、迷う時間がなくなります。
最初は30分考えていたことが、5分で決まるようになる。その積み重ねでした。
もうひとつは、AIを使うようになったことです。
AIは自分の中の知識を渡しておけば、まるで本人が作ったかのような制作物を出力できます。
リサーチ、執筆の叩き台、データ収集などを、AIの力で爆発的に効率化したのが功を奏しました。
正直に書くと、AIを使わずに全部やろうとして、消耗しすぎた時期があったのも事実です。
わたし、最初はアンチAIの人間でした。人の心がこもっていないような気がして嫌だったんです。
ですが、スマートフォンが普及したときと同じように、技術の進歩についていかないと結局おいていかれるのは自分です。
意地を張らないで使ってみよう!と決意して、2024年6月からChatGPTを、2026年5月からClaude AIの使用を始めました。
つまり、今のかたちになったのは「抱え込むのをやめてから」なのです。
最初は、時間より回数を増やしてほしい

これから始める方に伝えたいのは、「毎日◯時間やりましょう」ではありません。
最初は、まとまった時間が取れなくていいのです。
10分でも15分でもいいので、回数を増やしてください。
作業やアウトプットが速くなるのは、長くやったからではなく、何度もやったからです。
まとまった時間を確保しようとすると、それ自体がハードルになります。
「今日は2時間取れないからやめておこう」が続くと、いつまでも慣れません。
細切れでいいので、回数を積んだほうが早く楽になります。
在宅ワークのいいところは、この細切れができることだと思っています。
通勤には、細切れという選択肢がありませんでした。
終わる時間を先に決めた

もうひとつやったのは、始める時間ではなく、終わる時間を決めることでした。
わたしには、仕事をやり始めるとのめり込んで時間の経過を忘れる悪いくせがあります。
それを回避するため、仕事開始から2~3時間、どうしてもたくさんやりたい日は開始から6時間で強制的に終了するようになりました。
あらかじめ、終業のアラームをかけておくのです。
アメリカのロックバンド・エアロスミスの『Walk This Way』がアラームで流れたら、その日の作業は終了です。
終わりが決まっていると、その日のうちに終わらせるべき仕事に優先順位をつけて組み立てられます。
結果として、コツコツ続けてくることができました。
今のリアルと、これから始める人へ
最後に、今のわたしの働き方と収入を正直に書きます。
そのうえで、リードで書いたことをもう一度だけ書かせてください。
今の働き方と、正直な収入感

今は本格的な自由裁量の仕事をしており、集中力が切れたら席を立ってお茶を淹れ、より頑張れる時間帯には思い切りやるようになりました。
2023年8月から、なんのスキルもないゼロベースで副業学習をスタートして、安定的に5万円稼げるまでだいたい1年半ぐらいでした。
議事録の仕事は収入が上振れしていた期間なので平均して月14万円ぐらい稼いでいましたが、特殊な案件でした。
わたしの実力というよりは案件そのものが良かったのです。
現在の収入は月によりますが6万円~11万円。確実に見込めるのは5万円ほどです。
等身大で正直な数字です。
夫の収入がなくても生きていける、という金額ではありません。
ただ、家計の足しには十分で、何より自分で稼いだお金が毎月入ってくるという事実が気持ちをラクにしてくれます。
記念日には、夫にホテルのレストランで食事をごちそうできるようになりました。
我が家は決して裕福といえる家庭ではありませんが、通勤なしでそこそこのお金になるならこんな働き方もありだと思います。
以前はこうした楽しみもなかったので、お金があることは心に余裕を生みますね。
在宅を選ぶ理由は、子どもがいることでなくていい

最後に、記事の冒頭で書いたことをもう一度書きます。
在宅ワークの体験談を探すと、出てくるのはほとんどが子育て中の方の話です。
子どもを預けられない、両立したい、そういう理由が並んでいます。
でも、わたしにはそれがありませんでした。
子どもがいないのに家にいて、外に働きに出ない。
それを説明する言葉を、長いあいだ持っていませんでした。
今は、こう思っています。
「通勤がしんどい。人と同じ場所に長時間いるのがつらい。在宅ワークを選ぶ理由としては十分です」。
在宅ワークにどんな種類があるのか、何から始めればいいのかは、こちらにまとめています。


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